ダブリン3日目。
ダブリンのconnolly駅から電車に乗って、20分くらいのところにあるHowthという港町に行った。
電車に差し込む朝日が暖かかった。
Howthはダブリンの中心に比べて人も少なく、静かな街で、小さな駅は蔦に覆われていた。愛らしかった。
Howthで有名なのはCliff Walk(断崖絶壁のハイキング)である。
海に面して飛び出た半島を、岩壁沿いにちょうどぐるっと歩いて回れるようになっている。
私も歩いてみようと、道端にあった案内所のおばさんに聞くと、3~4時間かかるけど本当にやるの?という感じで聞き返された。きっとひとりで断崖絶壁を歩く女の人なんてあまりいないだろうから、心配されたんだろうと今になって思う。でもHowthに来たからにはと思い、歩いてみることにした。
歩き始めたはいいけれど、冷たい風が吹き、道のりは険しかった。履き慣れたブーツとはいえ、スニーカーで来るべきだったと後悔した。
すれ違う人も少なく、本当にただ一人で知らない土地の海を眺めながら歩き続けた。
WiFiの電波もあるわけがなく、なかなか長い道のりだったので、帰れるか不安になりながら、時々現れる矢印の看板だけを頼りに進んだ。
ただ景色の美しさに圧倒されながら、今私はどこにいるんだろうという気分になった。
途中で海の向こう側にあるリバプールの工場地帯が見えた。
3匹の犬を連れたおじさんが現れ、安心した。
おばさんに言われた通りしっかり3〜4時間かかって、だんだんと家々が見えてきて戻って来ることができた。
お腹が空いて、Howthの駅の近くに唯一あったファストフード店で食べたフィッシュ&チップスは、この旅行の中で一番不味かった。
疲れた足で電車に乗りダブリンへ戻った。
ダブリン最後の夜は、ホステルから歩き、The Celtというバーに寄った。
今回はしっかりライブの時間を下調べして、いちばん盛り上がっている20時に向かうと、バーの中は片手にギネスを持った人々でいっぱい。
私もギネスの黒ビールを頼み、ライブがいちばん近くで観れる席に座ってケルト音楽を聴いた。アコーディオンとギターを演奏していたおじさんたちは、なぜか終始ムッとした表情だった。
音楽とお酒があればなんだっていいと思うくらいに幸せな夜だった。
それではダブリンはここまで。またね。