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旅の記録

Hanoi②

 

ハロン湾ツアーの日。

 

ホテルの前で心を踊らせながら、ハロン湾行きの車を待っていた。支配人トムの子分のお兄さんは、ホテルの前の観葉植物の葉っぱ、1枚1枚をタオルで綺麗に拭いていた。


ハロン湾ツアーに1人で参加していたのは、私と、あらゆる国から来たおじさん3人のみ。


どのようなツアー工程なのかは知らなかったので、ガイドさん(かなり強いベトナム訛りの英語を話す)の話をがんばって聞き取りながら、バスに揺られていた。

 

2時間ほどバスに乗り真珠の工場見学をした。そこには数えきれないほどの観光バスが停まっていた。おそらく定番コースだったのだろう。

赤いドレスを着たお姉さんが真珠を作る工程について説明してくれるものの、隣のグループのお姉さんの声にかき消されて何も聞こえなかった。大きなショップが隣にあり、観光客に真珠を買わせようという魂胆のようだった。

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湾岸に着き、クルーズ船に乗った。これからランチをするので、6人ずつのグループに分かれてくださいと言われた。

 

大学の勉強をしながら、世界中を旅しているカナダのカップル、定年退職をされたイギリスのご夫婦、強面アメリカおじさん、そして私のグループになり、クルーズ船でランチを食べた。

 

始めはなんだか気まずい空気が流れたが、だんだんとみんな打ち解けてきた。みんなでどこを旅してるの、どこから来たのなどと話をした。

隣に座っていたアメリカ人の強面おじさんは、スキンヘッドでマトリックスのような見た目。グループの中でも1人で旅をしてる仲間だったので、勝手に親近感が湧いた。

彼は仏教徒で、日本やベトナムの寺を巡っているとのことだった。なんだか落ち着いた雰囲気と、話し方。こちらまで心が安らかになった気がした。

まずはティタップ島に着き、"1時間のフリータイムだから、ハイキングか、ビーチ、どちらかを選んで楽しんでね"と、ガイドさんに言われた。

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1人でビーチもなんだかなあと思い、ハイキングを選択した。展望台までは、かなり急な階段がずっと続き、汗だくになった。やっと着いた頂上からの景色は確かに美しかった。

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こちらはビーチを満喫する人々

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その後またクルーズ船に乗り、ハロン湾で検索すると写真が出てくる、あの有名な岩場に着いた。

ここでは自分で漕ぐカヤックか、漕ぎ手さんが漕いでくれる6人乗りくらいのボートが選べると言われた。

35分しか時間はないとのこと。そんなカツカツなことある?と思いながらも、1人でカヤックに乗ったら乗り場まで戻ってこれないかもしれないという恐怖心から、ボートを選んだ。すると、強面アメリカおじさんもボートを選んでいた。

カヤックで苦戦する人たちを横目に、こっちが正解だよねとニヤニヤしながら彼と話をした。

巨大な岩は壮大だったけれど、あまりのカヤックと観光客の多さに、美しさは半減している気がした。

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そのあと最後に向かったのは、スンソット鍾乳洞。日本で行ったことのある鍾乳洞なんかと比べられないくらい広く、どのくらいの歴史をかけて出来上がったのかわからないほどのグニャグニャした岩壁に、唖然とした。思わずすごい…と声を漏らしてしまった。

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サンセットを眺めながら、クルーズ船で帰路についた。  

カップルや、盛り上がるインド人のグループに囲まれながら、1人でただただ無心になり、ハロン湾の景色を眺めた。

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最高のリフレッシュはやはり、誰も私のことを知らない場所で、一切の情報からも解放されることだと、感じた。

 


クルーズ船の奥の方から、仏教徒の強面アメリカおじさんが、こちらを見て微笑んでいた。

 

 

続く…