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旅の記録

Aarhus

デンマーク滞在後半の5月ごろ、デンマーク第2の大きな都市、オーフスへ向かった。

絶対に行きたかった場所というよりは、せっかくだし、1回くらい行っておこうか、くらいの気持ちだった。

オーフスは、コペンハーゲンに比べると少し規模は小さいが、大きな大学もあり、有名な美術館もあり、賑やかだ。

 

大学があるせいなのか、街には若者がたくさんいる印象を受けた。

 

特にやることも決めずに、まずは予約した小さなホステルに向かった。

薄いマットレスに自分でシーツを敷くタイプの2段ベットがいくつか並ぶ部屋だった。

 

隣にはアジア系の同い年くらいの女性がいて、話してみると、ロンドンで学生をしていると言っていた。休暇でデンマークに遊びにきているという。

 

新しい街に着いた時は、まず土地勘を得るために、特に行先も決めずに歩く。どうやら選挙真っ盛りのようで、街のあらゆる電柱には最高な笑顔の政治家の写真が、これでもかというくらいに貼られていた。

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特別やることもないので、北欧のスターバックスのような存在、espresso house というカフェに入り、コーヒーを飲みながら外を眺めた。

 

2日目には、arosという現代美術館へ行った。

建物に入ると、高い天井に白い壁、螺旋状の階段があり、開放感のある美術館だった。

 

常設であるboyは、思っていたよりも巨大で迫力があった。その眼差しは、大人への疑いのようにも、不安のようにも見えた。わからないけど。

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じっと眺めていると、近くで上機嫌の小さな男の子が踊り出し、可愛らしかった。

 

 

Arosといえば、有名なのがレインボーパノラマだ。様々な色のガラスを通して、街を眺めることができる。グルグルと歩きながら、自分から見えている色は、本当に他の人と同じなのかしら、動物の目から見た景色はどんなだろう、などと考えた。

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Arosはお気に入りのミュージアムになった。

 

その後街へ出ると、レインボーパレードが開催されていた。カラフルな服を着た人たちで盛り上がっていて、街中の人が参加しているかのようだった。

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皆が自分の信念を主張する、エネルギッシュな姿を見て、私は何を信念にして、どう生きていくのだろうかと、ぼんやり考えながら、ベンチに座りパンを食べた。

 

学校に帰ると、遠くから友達が、カエデ〜!と独特の発音で私を呼んだ。待っていてくれる友達が、ここにできたのだと、幸せを噛み締めた。