utsutsu

旅の記録

Hanoi①

 

ベトナムの首都、ハノイに行った。

 

少し長い休暇があると知り、急遽行くことに決めた。日本から1度飛び立ち、情報だらけの窮屈な日々から離れたかった。

成田から6時間弱で、ハノイに着いた。

着陸するや否や、飛行機に乗っていた人は皆、物凄い速さで一斉に立ち上がり、荷物をゴソゴソと取り出し、飛行機から今にでも降りたい様子だった。そんなことは今までの旅で初めてだったので、驚いた。

空港の出口には、夥しい数の人々が、大きな花束を抱えて、待ち構えていた。その時の異様に熱い光景が目に焼き付いて離れない。人々が、飛行機からすぐに降りたがっていたのは、これが理由だったのかと、納得した。

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ハノイには四季があり、寒いと聞いていたので、冬服で出かけたものの、到着すると、生暖かい空気に包まれていた。

ラクションの音が鳴り止まない喧騒の中、私の名前が書かれた札を持っている男性を見つけた。ホテルにタクシーを手配していたのだ。その男性がタクシー運転手だと思っていたら、どうやらそうではなく、強面の別のタクシー運転手が黒い日本のSUV車に乗って、現れた。

彼の運転でホテルまで向かった。交通ルールなどあってないような様子で、運転手はクラクションをこれでもかというくらいに鳴らし、時にはわざわざ窓を開けてガンを飛ばしながら狭い隙間を走り抜けて行った。皆お互いそんな感じなので、清々しささえ感じられた。彼は時たま、鼻歌を歌っていたので、イライラしてるわけではないんだと安心した。

ハノイにはバイクが多く(印象としては1人1台)、桃の花、とてつもない数の箱、バナナ、見たことないような南国のフルーツ、など、人々は積める限りのものをバイクに積んで走っていた。荷物を積みすぎて、バイクに人が乗っているのかわからないようなパターンも目撃した。

ホテルは仏具店が立ち並ぶ道沿いにあると聞いていたが、確かに黄色く光る煌びやかな仏具店に挟まれていて、見つけやすかった。

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ホテルに着くと、メールでもやり取りしていた支配人のトムが、温かく迎えてくれた。左手にはタトゥーが入っていた。困ったことがあったらすぐに僕に教えてねと、充血した疲れた目で、優しい言葉をかけてくれた。

部屋にはキングサイズのベッドがあり、ベッドの上には綺麗な扇形に折られたタオルが置いてあった。

ひと休みした後、薄暗くなってきた街に繰り出した。道ゆく無数のバイク、道端で花やおもちゃ、フルーツを売る人、寝る人、物を燃やす人。1日はこれからだと言うかのように、街は目まぐるしく動いていた。

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初めて目に入る混沌とした街の熱を、焼き付けるのに必死になりながら、暗くなる街を闊歩した。ホアンキエム湖沿いを歩くのがおすすめと、トムに教えてもらったので、そこを目指した。

歩いても歩いても辿り着かず、近くにいた警察官に、道を聞くも、英語がわからないようで、ポカンとされた。なんとかWiFiを拾い、地図を見ると、湖はすぐそこにあるようだった。

やっとホアンキエム湖に着いた。湖の周りは栄えていて、高層ビルもたくさん建っていた。

人々は湖沿いのベンチに座って、それぞれの良い時間を過ごしていた。

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thuy ta legendという1958年創業の老舗のレストランに入った。牛肉のフォーを頼むと、売り切れと言われ、ブンチャーというハノイ名物を食べた。細い米の麺をスープにつけて食べる料理。ハノイの料理はホーチミンに比べて薄味と聞いていたけれど、確かに薄味で美味しかった。

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サイゴンビールを飲みながら、ホアンキエム湖を眺め、穏やかな夜を迎えた。

 

続く…