次の日、朝ゆっくり起きて、Skagen Museumへ向かった。泊まっていたお家からすぐのところにあった。
もともとは宿の食堂に絵を集めたところから始まったという美術館。デンマークやスウェーデンの芸術家の絵が集められている。(スケーエン派)とも呼ばれる。
始まりの、食堂だった1室。
画家は、Skagenで見られる特別な光を求めてやってくるという。
デンマーク最北端の街、スケーエンの海沿いからは、どこまでも続く海と空が見える。
日が沈んだ直後くらいの、淡い柔らかな空と、荒い波が描かれている作品が多くあった。画家たちは、海に沈む夕日を眺めながら、その美しさに取り憑かれていたのかもしれない。
そのあと、あまりにも強い太陽の光に眉を顰めながら、とある教会の跡地へ向かった。
乾燥した野原を歩いていると、ヘビの巣であろう穴がたくさんあった。少しヘビに怯えつつ、歩いて、歩いてやっと辿り着いた。
スケーエンに行こうという話になった後、インターネットでなんとなく街について調べていた。目に入ったポツンと佇む姿に虜になり、ここだけはどうしても訪れたいと思っていたのだ。
スケーエンは、18世紀後半に砂漠化が進み、村が砂で埋もれてしまった過去がある。その際に、ここにあった教会も、入り口が砂で覆われてしまい、人々が入れなくなってしまった。
そこで教会は取り壊され、今残っているのは、塔の部分だけ。1300年代に建てられたと言われており、スケーエンで最も古い建物である。
真っ白な塔が、ポツンと佇む姿を眺めながら、マチルダココアを飲んだ。甘いココアが、歩いた身体に沁みた。
続く…