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旅の記録

Flensburg

フレンスブルク。デンマーク滞在中に何度も訪れた街である。

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フレンスブルクの街中は、鮮明に覚えている。このお店ではこれが買えて、これが必要ならここ!というように。

 

私が滞在していた学校は、デンマークの田舎、フィヨルド沿いにポツンとあった。唯一のお店、小さなAnnie's Kiosk(ホットドッグやアイスクリームが買える)まで徒歩約30分だった。

学校はデンマークの最南に位置していたので、ドイツのフレンスブルクまではバスで25分くらいで行くことができ、デンマークに比べて、物価が安いので、何か必要なものがあるときは、大体フレンスブルクに出かけた。近くのいちばん大きな都市だったのもあり、出かける時はいつも気分が高鳴った。

 

最初のフィルムカメラを買ったのも、フレンスブルクだった。学校でアナログ写真の授業をとることになり、カメラを買いに、フレンスブルクの骨董品屋に寄った。Made in West Germany と書いてある、Voigtlanderの小さなカメラを見つけ、これ使えるのかな?とお店のおばちゃんに尋ねた。主人が詳しいから帰ってくるまで少し待っててと言われ、また改めてお店に出向いた。おじちゃんはカメラについて色々と説明してくれた。その後、数ヶ月はVoigtlanderのカメラで写真を撮った。シャッターが壊れてしまったので、今は引き出しに眠っている。今でもフィルム写真は撮り続けているけれど、最初にVoigtlanderで撮った写真には敵わない。

 

ドイツではまだフィルムを現像してくれるお店が多くあり、フレンスブルクの小さな薬局でも現像することができた。その手順が面白く、必要な書類を書いて袋に入れてフィルムを出すと、1週間後くらいにお店に行けば、現像された写真が封筒に入って、ずらりと並んでいる。それを自分で勝手に取っていく。他人の封筒を間違えて持って行っちゃう人もいそうだけど、その辺の自己責任感が、日本と違う。

 

フレンスブルクは、ビールも有名だ。Flensburgerという可愛らしい瓶に入ったビールは、苦味もありつつフルーティーで美味しい。デンマークでよく飲むのは、Tuborg(あっさりしていて、あまり美味しく感じなかったが、北大路魯山人は絶賛したらしい)というビールだったので、Flensburgに行ったときのたまの贅沢として飲んだ。

 

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この右側の。可愛い。

 

12月には、クリスマスマーケットにも訪れた。シナモンの効いたグリューワインを飲み、暖かい身体で、ルンルンしながら街を歩いた。

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土日にはメイン通りの所々でストリートミュージシャンが音を奏でる。冬はデンマークに比べても少し寒いけれど、住みやすそうな、素敵な港町だ。

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いつか戻ったら、あの店と、あのカフェに行こう。

 

また会う日まで。