初めての海外は、パリに行った。
ウディアレンのmidnight in parisや、Amelieが大好きで、こんな世界が存在するのかしら、いつか絶対に行くんだと思っていたパリ。ドキドキしながら飛行機に乗った。
パリに着いた。
白い壁の間にある、長いエスカレーターに乗る。
私の前には、完璧な白いワンピースを着た女性がいた。彼女はパリに帰ってきたのだろうか、などと考えた。
シャルル・ド・ゴール空港は、甘い、シナモンの香りがした。ような気がした。
とにかく嗅いだことのない異国の香りだった。
パリに住んでいる友達が、笑顔で手を振って、待っていてくれた。初めての一人飛行機に、長時間飛行に、ぐったりしながらも、バスから見える街並みに、興奮を隠せなかった。
友達のお家は、plaisanceという駅の近くのアパートだった。
路地の角にあった。ドアを開けると、歴史を感じる、木製の螺旋階段があった。手すりは深緑。壁はクリーム色。
お家で、友達のまたお友達(彼女はフランス人だけれど長崎の方言を話し、ピンク色の髪の毛をお団子にしていた)も一緒に、ワインを飲み、友達は薄いクレープを焼いてくれた。
たまに二人が話すフランス語に、ドキドキしていた。
夕暮れを迎えながら、友達は散歩に連れて行ってくれた。
クリーム色で統一された街並みを歩く。散歩はじめに見たのはオペラ座。
歴史を感じる厳かな建物の下には、若者やおじさん、ホームレスなどたくさんの人々がたむろしていた。
そして何よりも、初日に見た、日没時間のコンコルド広場が忘れられない。
オレンジ色のランプが整然と立ち並び、その間を車やバイクが駆け抜ける。遠くにはエッフェル塔が光る。
憧れていたパリは本当に存在していたのだと、ぼーっとしてしまった。
今でもあの瞬間は夢だったような気さえする。